PetHotel11!お庭番のブログ②: 犬同士のじゃれ合いとケンカ③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

前回の記事からだいぶ時間が経ってしまいました・・・(-_-;)

『犬同士のじゃれ合いとケンカ②』のつづきです。

【じゃれ合いと本気のケンカの見分け方？】

●一般的に言われている見分け方

よく、インターネットなどで『遊びとケンカの見分け方』と書いてある記事を見ると、おおむね次のようなことが挙げられています。

◇牙を剥いているか？

牙を剥いておそろしい顔をしていたらケンカ、そうでなければ遊びってことのようです。

◇シッポは垂れていないか？

シッポが下がっていたらケンカ、シッポをフリフリ取っ組み合っていたら遊びってことのようです。

◇耳が後ろに寝ていないか？

耳が後ろに倒れている場合、その子が怖がっているサインなのでケンカ、そうでなければ遊びってことのようです。

◇低い唸り声をあげていないか？

興奮して声をあげながら取っ組み合うことはあるけれど、低い唸り声ならばそれは本気のケンカってことらしいです。

◇甘噛みか本気噛みか？

ワンプロはお互いの急所を狙って噛みつく遊びだけど、決して怪我はしないような甘噛み。

本気ならば噛みついて振り回したり、歯が皮膚に食い込むような噛みつき方をするってことですね。

※いくらなんでも、そのくらい誰でもわかるっちゅーの！！（笑）

ま、確かにね・・・この説明は間違ってはいないんですが・・・

●実際のワンプロはちょっと違う

一般的に紹介されている上記のような見分け方は、普段ワンプロをしていないワンちゃんの飼い主さんにはちょっと難しすぎるように思えます。

それに・・・文章にしてしまうと確かに上記のような項目になるのでしょうが、実際にワンプロしているワンちゃんたちを見ていると、そんな風にカッチリと法則に当てはまらないことが多いように感じているんですね。

ひとつひとつ見て行きましょう。

◇牙を剥いているか？

顔の怖さの程度の違いはありますけれど、ワンプロだってめちゃくちゃコワイ顔して牙を剥き合って遊んでいること、けっこうあります(;^ω^)

人間の子供同士だって、夢中になって取っ組み合いをしていたら、お互い真剣なこわぁい顔になったりしますよね？

それと同じです。

時には、

『どっちがよりコワイ顔できるか』

を比べっこしているような場面もあります。

具体的には、大きな口を開けて牙が見えている顔（←人間から見ると十分怖い顔）と、鼻周りの筋肉を持ち上げて牙を剥いている顔はまったく別物なんですが、それを見分けられない飼い主さんも多いでしょう。

だから、牙を剥いたら即刻止めに入らなくてはならないっていうのは少し誤解を招くように思っています。

◇シッポは垂れていないか？

シッポについても、遊びでじゃれ合っている時常にシッポをフリフリしているかというと、そんなことはありません。

ワンプロに集中している時はシッポが垂れていることだってあります。

また、シッポをフリフリしているからといって必ず喜んでいるとは限りません。

逆に不快や恐怖のサインとしてシッポを振ることもワンちゃんにはあるからです。

シッポを右に振っている時は喜びを表現していて、左に振っている時はその逆と言われていますが、どちらも左右に振れているので、その違いを瞬時に判別できる人ならば、ワンプロとケンカの見分けくらい既にできる人のはずです。

ひとつ確かなのは、シッポを後ろ脚の間にスッポリ入れているような時は、ひどく怯えているのですぐに引き離さなくてはなりません。

◇耳が後ろに寝ていないか？

これも、実際にワンプロしている最中に、一方の耳が後ろに倒れたりしていることはよくあります。

おそらく、形勢が不利になって

『ヒィっ！あっぶなかった～～～～～！！』

みたいなドキーーン！とした時にこんな風になっているのではないかと思っていますが、お互いが遊びと認識していれば、そんな”ドキーーン！”もまた、貴重な経験のひとつですから

「耳が倒れたわっ！！」

って、引き離してしまうのは、せっかくの社会化のチャンスを逃すことになるので、とてももったいないと思っています。

◇低い唸り声をあげていないか？

はい、これはその通りです。

でも、低いと高いの聴き分けができる人ならば、そもそも遊びと本気の見分けはできるので、これもあんまり意味があるとは思えません。

◇甘噛みか本気噛みか？

こりゃもう論外ですね（笑）

だって、本気で噛みついたり噛みつかれたら即アウトですからねぇ(-_-;)

「あ！血だらけになっちゃった！・・・ってことは、さては本気だわ～～！」

なんて、遅すぎだっちゅーの！！(# ﾟДﾟ)

●取っ組み合ってからでは遅い

「ワンちゃん同士の本気のケンカとじゃれ合いの見分け方がわからないんです」

という飼い主さんの愛犬は、きっと他のワンちゃんが苦手だったり、他のワンちゃんと触れ合う機会を飼い主さんが与えていなかったりで、普段ほかのワンちゃんとじゃれ合って遊ぶことがないんだろうって思うんです。

そういう飼い主さんとって上記のような見分け方は役に立たないだけでなく、それを鵜呑みにしてしまうとしたら、それはちょっと危険だな・・・とわたしは感じています。

そんな遊び慣れしていないワンちゃんをいきなり他のワンちゃんと組ませてみて、耳はどうかしら？シッポはどうなっているかしら？って観察したところで、時すでに遅しってことになりそうですよね？

一瞬でどちらかがどちらかに怪我を負わせてしまえば、もう後の祭りなのですから・・・

ですから、上記のような見分け方はむしろ仲良くじゃれ合っているワンちゃん同士が、ついつい熱が入り過ぎて本気に転じてしまったサインを見分ける方法だと思っておいてください。

「あ、このまま続けさせるとどちらかが怪我するぞ・・・」

というタイミングを見分けて2頭を一旦引き離してクールダウンさせる頃合いを見定めるサインということですね。

実際に一番気を付けなくてはならないのは、もっと前の段階・・・つまり2頭の犬を近づけてもよいかどうかを見極める段階です。

●見分け方はあるにはあるけど

実際に、初対面の2頭のワンちゃんがワンプロして遊べる間柄かどうかを見分けるにはいくつかのステップを用心深く見る必要があります。

まずは、2頭の犬を近づけても大丈夫かどうか？飼い主さんはお互いにリードを持って制御できる状態にして様子を見ます。

ここで、飼い主さんが無理やり相手のワンちゃんの方にグイグイ近づけたりすることは絶対にやめてください。

アナタは昔、お父さんやお母さんに

「ホラホラ、このお友達と仲良く遊びなさいっ！」

って見ず知らずの子にグイグイくっつけられたことはありますか？

ありませんねっ（笑）

ですから、そういう非常識なことはワンちゃんにも絶対にしないであげてくださいね～～(;^ω^)

もし、ドッグランなどで愛犬が他のワンちゃんとお互いに興味を持ってクンクンオシリを嗅ぎ合ったり鼻をくっつけ合ったりし始めたら、
いつでもリードを引けるように気を付けながらよーく観察します。

※ドッグランで遊び慣れていない子は最初はリードをつけておくべきです。

中には、穏やかな雰囲気でお互いにクンクンしているから

「あらよかったわねぇ～～♪」

なんて気を抜いていると、いきなりガルルーー！！って威嚇したが早いかガブリッ！ってやっちゃう子だっていますから、クンクンし合っているからってすぐに油断したりリードを外したりしてはなりませんっ！

その後、どちらかのワンちゃんがプレイバウ（前脚をのばして上半身を低くし、オシリを高くあげたオジギのような姿勢）をしたり、コロンとお腹を見せながら誘ったり、前脚で「ねえねえ」とちょっかいを出すようなしぐさをして、もう一方がそれに楽しそうに応じているような時は、遊ばせて大丈夫でしょう。

もう見るからに楽し気に2頭共がはしゃいで弾むような動きをしているなら、安心して見ていることができますね。

もちろん、おしゃべりに夢中になって目を離すようなことは決してしないでくださいね。

●あんまり役に立たない！

でもでも・・・・実際ここまでしてきた説明も、愛犬が他のワンちゃんと遊んでいるのを見たことがないという飼い主さんにする説明としてはまったく不足しているとしか思えません。

だって、他のワンちゃんと遊んだことがないワンちゃんの多くは、まず誘い方や遊び方をも知らないばかりか、相手に遊びに誘ってもらっていることすら解らない子が多いからです。

PetHotel11!にやってくるワンちゃんたちを見ていても、今まで他のワンちゃんと遊んだ経験がない子というのは、せっかく遊びに誘ってくれているワンちゃんに怯えて戸惑い、どう振舞っていいかわからないという様子で立ち尽くしていることの方が多いです。

じゃあ、そんな子は他のワンちゃんと遊ぶことは金輪際ないのか？っていうと、そう決めつけるのはまだ早いんです！！

次回は、今まで他のワンちゃんに近づくこともできなかったワンちゃんや、1回も他のワンちゃんとじゃれ合ったことがないワンちゃんが、他の子と楽しく遊べるようになるために、
飼い主さんが具体的にしてあげられることについてお話したいと思います。

きっとそれは『見分け方』なんていうノウハウよりもうんと役に立つ情報なのではないかと思っています。

＜今日のPetHotel11!＞