2019年8月29日木曜日

犬同士のじゃれ合いとケンカ⑨

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。







間がずいぶん空いてしまいましたが、『犬同士のじゃれ合いとケンカ⑧』のつづきです。


【ケンカを防ぐためにもじゃれ合いは必要】


●遊びのカリスマトレーナー


他のワンちゃんと関わろうとしなかった豆柴Yちゃんや、頑固なこじらせ男子の黒柴Hくんを、それぞれの特性に合わせた絶妙な方法で遊びに誘い、見事にノセてしまったNちゃんのエピソードをご紹介してきました。

何とか愛犬に社会性をつけさせようと思っていても、わたしたち人間がNちゃんのように愛犬の社会性を引き出すことなど 逆立ちしたってできることじゃーありません(;^ω^)

Nちゃんのような子は、自分自身がものすごく社会性が高くて社交的だというだけでなく、他のワンちゃんに遊びを通じて社会性を教えるという役割を喜んで担うカリスマトレーナーだってことなんですね。


けれども、NちゃんがPetHotel11!に初めてお泊りにやってきたころ・・・実はNちゃんは今のように他のワンちゃんを巧みに誘えるテクニックは持っていませんでした。

そればかりか・・・

体重10キロ近い中型犬のNちゃんが、体重わずか2キロにも満たないような小さなワンちゃんに「遊ぼう遊ぼう!」と甘噛みをしたり、

初めてのお泊りで緊張と不安に押しつぶされそうになっている犬見知りの子を、しつこく追いかけ回して怖がらせてしまったり、

そんなことをしてわたしたちに怒られることもしばしばでした。




●カリスマトレーナーはこうして生まれる


そんなNちゃんが、今のような”遊びのカリスマトレーナー”になれたのはどうしてでしょう?

何よりも一番の理由は、Nちゃんが他のワンちゃんと遊ぶことが好きで好きでたまらなかったということでしょう。


遊びたくてたまらないから、誰かれ構わずとにかく誘ってみる。



相手が遊びたがっていない子でも、押しの一手でしつこく誘い続ける。



鬱陶しがられる



寂しい・・・そして つまんな~い・・・


そんな失敗を何度か繰り返すうち、Nちゃんは相手の子が自分と遊んでくれる可能性がある子かどうかを見極められる目を養いました。

それから、相手がたとえ遊びたがっている子でも上手に誘ってあげないとヘソを曲げてしまったり怖気づいてしまったりして、結局ノって来てはくれないということも学びました。

こんな風にして、イタい経験や失敗を何度も何度も繰り返し、Nちゃんは現在のような手練れの”犬たらし”になっていったんです。

現在のNちゃんは、


『自分と遊んでくれる子がいればそれで満足。』

という段階から更にレベルアップして、

『一筋縄では遊びにノってこない子をなんとか攻略して開眼させることに燃えている。』


という感じに見えるんです。

すごいですね~~~!!


Nちゃんがこんな風になれた理由は、天性の遊び好きな性格に加えて、生後の母犬や兄弟犬とのいい関係があり・・・なによりもその後、飼い主さんの元で他の犬たちと関わったり遊んだりする機会をできるだけ多く与えてもらったからに他なりません。


他のワンちゃんとの遊びに興味がありそうなのに、ドッグランなどに連れて行ってもまったく遊ぼうとしない・・・そんなワンちゃんが、もしNちゃんのような遊びの熱血カリスマトレーナーに出会うことができたら・・・・その子の犬生をガラっと変えるきっかけになるかもしれませんね♪



●早ければ早いほどいい


人間から見たらケンカにしか見えないような犬同士のじゃれ合いの中で、犬たちはその後の犬生にとって欠かすことのできない社会性を学んでいくとお話しましたね。

でも、残念ながらワンプロのようなじゃれ合いをする機会が生まれてこのかたまったくないまますっかり大人になってしまったワンちゃんが、その後突然ほかのワンちゃんと戯れるようになる可能性はほとんどないと言わなくてはなりません。

まず、すっかり大人になった犬は、お友達とのじゃれ合いにさほど興味を持たなくなってきます。

人間だってそうですよね?

小学生のころは、毎日のようにワーーーイ♪とお友達と公園で泥んこになって日が暮れるまで遊んでいたワンパク坊主が、大学生や社会人になっても同じことをしていると思いますか?

いたとしたらきっと、周囲から


「いーかげんにしろっ!!そろそろ落ち着けっ!!」


って言われるでしょーね(;^ω^)

それと同じことですね。


また、仮に大人になってからお友達とのじゃれ合いの楽しさに突如目覚めた子がいたとしても、残念ながらNちゃんが失敗を繰り返して学習したような段階を踏むことは周囲の犬たちから許されることはありません。

社会性が低く、ちょっと無礼で空気が読めない・・・こうした状態はまだ未熟な子供だからこそ周囲が許してくれ、叱ってくれ、教えてくれて、是正するチャンスをもらえるんですね。


ですから、わたしたち飼い主がすべきことは、直接愛犬に犬同士のじゃれ合いや社会性を教えてあげることができない分、できるだけ多くの他のワンちゃんと交流する機会を可能な限り年齢が若いうちから愛犬に与えてあげることだってことなんです。



●社会性ってそんなに必要?


ご家庭でペットとして飼われているワンちゃんに、高い社会性がそこまで必要なのか?と思う方もいらっしゃるでしょう。

確かに、人里離れた山奥に暮らしているなどといった理由で、おさんぽで他のワンちゃんとすれ違うこともなく一生飼い主さんとしか関りを持たないワンちゃんであれば、社会性がなくても特に問題はないかもしれません。

でも、他のワンちゃんと少しでも関わる機会があるワンちゃんならば、やはり社会性はあるに越したことはありません。


たとえば、おさんぽですれ違う他のワンちゃんが、ただ自分に親愛の情を示して挨拶しようとしているだけだということがわからないほど社会性の低いワンちゃんは、毎日おさんぽに行くたびにビクビク怯えなくてはならないかもしれません。

せっかくの楽しいおさんぽが台無し・・・毎日のハッピーは半減してしまいますね(泣)


ドッグランやケージレスペットホテルのような場所で、他のワンちゃんからしつこくイヤなことをされたとしても、社会性が低いばっかりにうまく断る術を知らず、必要以上に辛い思いをしてしまうかもしれません。


更に・・・適切な断り方や他の犬のいなし方がわからないために、近づいてきた相手のワンちゃんに怯えてパニックを起こし、飼い主さんが止める間もなく突然本気で噛みついて大怪我を負わせてしまう・・・などということだってあり得ないとは言い切れません。


何も、全てのワンちゃんがNちゃんのように遊びの天才になる必要はまったくありません。

お友達と遊ぶのが大好きな子もいれば、のんびりひとりで過ごす方が好きなワンちゃんもいるはずです。

ただ、たとえひとりで過ごすことが好きなワンちゃんであっても、他のワンちゃんの姿が見えるたびにオドオドビクビクするのではなく


「ごめんね、ひとりでいたいんだ。放っておいてくれない?」


と、上手に断れるくらいの社会性はやっぱりつけておいた方が本犬さんにとって幸せなんじゃーないかと思うんです。



愛犬に幸せな犬生を・・・と考えている飼い主さんは、ぜひたくさんの犬たちと関わる機会を与えてあげてください。

他の犬たちがいる場の空気に慣れるだけでも無駄ではありません。

他の犬たちが楽しそうにじゃれ合ったり、駆け引きしたりする様子をジっと観察するだけでも、アナタのワンちゃんは多くを学び取っています。

そして、アナタのワンちゃんがもしまだ1才前後までの年齢だったなら・・・ぜひとも遊びの上手なワンちゃんと仲良くなる機会を探してあげてください。


遊び慣れしているワンちゃんの飼い主さんは、じゃれ合いと本気のケンカの違いを瞬時に見分けることができるはずです。

遊び慣れしているワンちゃんもまた、本気のケンカに発展しない方法をよーく心得ているので、実は一番ケンカとは無縁のワンちゃんたちです。


そうしたワンちゃんや飼い主さんから学ぶことは、アナタにとってもアナタの愛犬にとっても大変有意義なことに違いありません。


アナタの愛犬に、この先本気のケンカをさせない(流血してしまうような咬傷事故を起こさせない)ためにも、社会性の宝庫=じゃれ合いの機会を与えてあげて欲しいのです。





<今日のPetHotel11!>

Pくんがまたお泊りに来てくれたよ♪


としお「いらっしゃいませです~♪」
Pくん「お世話になりまーす!」


Mくんもお泊りに来てくれたよ!
お庭番「よく来たね♪」
Mくん「お久しぶりで~す♪」


Mくんは”としお”のアニキ分なんだよ!


”としお”は嬉しくて嬉しくて・・・


Mくんにずーっと甘えてます(笑)


Mくん&Pくん「あのぅ・・・
”としお”がジャマで通れないんですけど~?」


としお「嬉しいです~~~~♪」

ジャマだって言われてるんだよ・・・(-_-;)


Mくん&としお「ワーイ!おさんぽの時間ですね~?!」


白い犬軍団!(笑)


本当の兄弟みたいだねぇ(o^―^o)


おさんぽの後、お夕飯を待つ間
ずっとじゃれあっていたふたり(笑)




<オマケのPetHotel11!>

夏休みのワンワンラッシュが終わり・・・
3日ほどお泊りワンちゃんがいないオフがありました。

その間の写真もちょこっと公開~!


朝のおさんぽでカニさんを見つけ、嬉々として
ちょっかいを出していたチャコ
お口の端っこをカニさんに挟まれて・・・

可哀想なのはハサミを片方失ったカニさんです(;´Д`)


平然とおさんぽをつづけていたけれど、
帰ってきたらやっぱり気になるみたいで・・・

としお「大丈夫ですかあ~~~?」


外してあげました(笑)


「はぁ・・・よかった♪」

カニさんはきっともっと痛かったよ(-_-;)


8月1日を”としお”のお誕生日に決めたわたしたちですが・・・
ワンたちのお誕生日をお祝いする習慣がなく、
フツーの日と同じようにスルーしておりました。

するとなんと!!!
お客様が「としおちゃん、お誕生日ですよね?」って
ステキなオヤツと鹿の骨をプレゼントしてくださいましたっ♪
ボス、ナツ、チャコの分まで・・・ありがとうございました♥


あっという間にムシャムシャ食べてしまったボスと・・・


とっておきのオヤツなので、どこかに運んでゆっくり
食べたいナツ(笑)


どこかに運ぶのは「ダメ」って言われて
仕方なくお部屋の奥で
「オイチイオイチイ♪」


見たこともないような豪華オヤツに
目を輝かせて「マテ」するチャコ


「ん~~~~~、たまんな~~~い♪」


お誕生日の主役”としお”は・・・


いつものオヤツで寝る前の訓練・・・


やっと、とっておきの豪華オヤツ♪
(ワクワク・・・)


よかったね、としお!1才おめでと~♥

としお「おいしいです~~~~♪」


としお「寝る前は毎日こうやって
順番に歯磨きとブラッシングしてもらうですよ」


「いい子に歯磨きしているから・・・」


「獣医さんにも、いつも歯がピカピカって
褒められちゃうですよ~~♪」















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