間が空いてしまいましたが、『犬同士のじゃれ合いとケンカ④』のつづきです。
【犬同士の遊びを教えられるのは・・・】
●振り返り
ここまでお話してきたことをまとめると、次のようになります。
・犬にとって、じゃれ合いはとっても楽しいサイコーの遊び
・特に幼少期のじゃれ合いは”社会性”を学ぶ絶好のチャンス
・他の犬と自分の意思で”遊ばない”のは幸せ、他の犬と遊びたいのに”接し方が解らず関われない”のは不幸せ
・愛犬が他のワンちゃんとじゃれ合うのを見たことがない飼い主さんに、じゃれ合いと本気のケンカを見分けるのはとても難しい
・今まで他のワンちゃんと遊んだことがないワンちゃんが他の子とじゃれ合って遊べるようになるには、まずたくさんのワンちゃんがいる環境に連れ出し、慣れさせてあげよう
・・・と、ザっとこんなお話をしてきました。
●最初からあきらめないで!
飼い主さんの中には、次のようにおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
「他のワンちゃんと遊ぶチャンスを与えようと、ずいぶんドッグランに連れて行ったりおさんぽで他のワンちゃんと挨拶させようとしたりしたんですよ。
でも、ウチの子はぜんぜん関わろうとしないので諦めちゃいました」
その子は本当に他のワンちゃんと遊びたくないから遊ばないのかもしれません。
でも、他のワンちゃんとの遊び方が解らずに遊べないだけだとしたら、早々に諦めてしまうのはとても勿体ないですね。
だって、もしかするとワンちゃんは
「ああ・・・楽しそうだなぁ・・・うらやましいなぁ~!
一緒に遊びたいけどやり方が解らないよう~・・・嫌われたり怒られたりしたらどうしよう?
ああでも遊びたい!どうしたらいいんだろう?」
って思っているかもしれないんです。
もし、そういうワンちゃんが他の子と幸せそうに遊ぶ姿が見られるなら、何だってしてあげたいとは思いませんか?
わたしたちは、ケージレスペットホテルでそういう劇的な変化を遂げて、とっても明るくなったワンちゃんをたくさん見てきました。
諦めるのはやれることを全てやってあげてからにしませんか?
前回の記事で、他のワンちゃんと遊べるようになる”可能性”について触れましたね。
もし、アナタの愛犬が生まれてすぐ母犬や兄弟犬と引き離されて、今まで1度も他のワンちゃんとじゃれ合った経験がなく、その上現在の年齢が既に1才をとっくに超えてしまっていたら、もしかすると今から他のワンちゃんと遊べるようになる可能性は残念ながら低いかもしれません。
けれども、多くの飼い主さんはご自身の愛犬が母犬や兄弟犬から引き離された時期や状況をご存じありませんね?
幼少期に兄弟犬たちと戯れた経験がある子なら、その後の学習チャンスが少なかったとしても”社会性の種”を持っている可能性が十分にありますから、それを伸ばしてあげることは可能です。
簡単に諦めないであげてほしいんです。
●社会性は経験によって磨かれる
ここでちょっと”社会性”そのもののお話をしておきましょう。
※社会性っていうと難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、コミュニケーションスキルと似たようなものだと思っていただいて問題ないと思います。
社会性っていうのは、そもそも「ある」or「ない」という判断基準だけで語られるべきものではありません。
もちろん、ゼロか1かの差はとても大きいのですが、更に社会性が「高い」or「低い」ということも重要なポイントになってきます。
◇社会性ゼロ
生まれた時から幼少期を含めて他の犬と一切交流が持つ機会が与えられなかったワンちゃんが、そのまま成犬になってしまった場合や、先天的な問題を抱えていて他の犬とのコミュニケーションが不可能な状態を指します。
◇社会性が低い
簡単に言うと、犬づきあいがヘタってことですね。
他の犬と上手に遊ぶことができないのはもちろん、自分がイヤだと思っていることを他の犬からされても上手に断ることができなかったりするという側面もあります。
社会性そのものはあるので、経験によって磨かれれば高い社会性を身に着け、今よりうんと幸せな犬生が送れるようになる可能性は十分にあります。
◇社会性が高い
他の犬たちと関わったり遊んだりする経験を積むことによって、高いコミュニケーションスキルを身に着けたワンちゃんがいます。
”犬あしらい”がめちゃくちゃ上手なワンちゃん
とか
”犬たらし”
とか言ったら解りやすいでしょうか(笑)
じゃれ合いに関して言えば、一般に犬も人間と同様、大人になるとそうそう他の犬と思いっきりじゃれ合って遊ぶことはなくなってきます。
いわゆる『落ち着く』という状態ですね。
けれども、いわゆる”犬たらし”のような社会性がとても高いワンちゃんは、大人になってからも時々思い出したように遊びの相手がいると遊ぶことはありますし、何よりも子犬や社会性が低い犬に遊び方を教えてくれる天才なんです!!
●犬の遊びは犬から教わろう
まずはじめに覚えておいていただきたいのは、犬同士の遊びを人間が教えることはできないということです。
PetHotel11!の超長期お預かり犬”ボス”がいい例なのですが、彼はボール相手に遊ぶことや、人間相手に遊ぶことは大好きです。
遊びが大好きな子なので、一見すると他の犬たちの中にいても上手に遊んでいるように見えます。
けれどもボスが他の犬と直接じゃれ合ったり遊んだりすることはまったくありません。
一緒にボールで遊んでいるように見えても、彼の目にはボールしか入っていないんです。
ボスは量販店のペットショップで売られていた子犬でした。
おそらく生まれてすぐに母犬や兄弟犬と引き離され、社会性がほぼゼロの状態で飼い主(母です)に買い取られたのでしょう。
その後、おさんぽで出会う犬に怯えて背を向けるボスに、
「苦手なら無理しなくていいのよ~~」
と、飼い主が社会化のチャンスを一切与えぬままオジサン犬になってしまったので、現在こんなにもたくさんの犬たちと共に過ごし、社会性を育むにはこれ以上ない環境にいても、一切犬と遊ぼうとはしないのです。
ボスが1才前後になるまでの時期に、積極的に他の犬と関わるチャンスを与えていれば、もしかするともっと別な犬生が彼には待っていたかもしれません・・・
飼い主さんの中には
「ウチの子、遊ぶのは大好きでよくお庭でわたしとボール遊びをしたりオモチャで遊んだりしているので、他のワンちゃんと遊べないのが不思議なんですけど・・・」
とおっしゃる方がいらっしゃいますが、人間との遊びや一人遊びと、犬仲間との遊びはまったくの別物です。
人間の子供に例えると・・・
自宅ではよく笑い、テレビゲームをしたりマンガを読んだり、家族でトランプやオセロ、キャッチボールなんかもしてよく遊ぶけれど、同年代のお友達とはまったく遊ぶことができない、内弁慶の引きこもりタイプの子のようなものです。
犬同士の社会性は、人間の子供が家族以外の人やお友達と関わったり遊んだりできるか?と似たようなものだってことですね。
ですから、犬同士でじゃれ合ったりする楽しみを覚えてもらうには、数多くの犬と関わるチャンスを与えてあげなければ意味がないってことになります。
そして、ここからがとても大事なのですが、一番の近道はなんといっても上記でお話した”犬たらし”のような社会性レベルが高いワンちゃんと関わらせてあげることなんです。
次回は、そんな社会性の高い”犬たらし”のワンちゃんの驚くべき能力についてお話します。
実際に、他のワンちゃんが苦手でまったく関わろうとしなかった子が、”犬たらし”の手によって(脚か?)まるで別犬のように変わっていった事例を元にお話ししていきます。
お楽しみに~~~(^▽^)/
<今日のPetHotel11!>
朝の海岸さんぽ♪
みんな写ったかな?
仲良く上手におさんぽできたよ!
怖がりCくんも だいぶのびのび
振舞えるようになったね♪
「うん、だからオシッコするところを
撮らないでよ~」
ビショプーCくんは、他のワンちゃんとも
うまくやっていけるけど・・・
マイペースでひとりのんびり過ごしたいタイプなの。
他の子もそれを解って
ちゃーんと尊重しているんだよ!
Nちゃんと”としお”は
お友達と関わっていたいタイプ。
木の枝そのものよりも
木の枝を介したお友達との遊びが大好き!
Cちゃんはお外大好き!
お庭遊びにいつもルンルンで飛び出してくるよ!
暑いねぇ~~!
涼しいお部屋でお昼寝しようね(;^ω^)
Bくんがお泊りに来てくれたよ!
「またお世話になりまーーっす♪」
「やあやあみんな、ヨロシクねっ!」
常連のBくんはみんなの
ご挨拶攻撃にも余裕で対応
強面の黒柴Hくんにだって
「やっほー♪」って軽く挨拶(笑)
「じゃあもうクッションをゲットして
くつろいじゃってもいいですか?」
どーぞどーぞ~~~~( ´∀` )
うーん、Bくん本当に落ち着いたねぇ~!!
大きなCちゃんは、大きなケージを出してもらって
もう誰にも邪魔されずの~んびり
お昼寝できるようになったよ!
黒柴HくんはNちゃんと遊びたくて
仕方ないんだけど、自分からは
行けないからちょっぴり離れたところから
いつもNちゃんを眺めているんだって!
(;^ω^)
憧れの活発な女子を見つめる男子
って感じ~~?(笑)
ボス「ボール~~~♥」
Nちゃん「ボスくん、一緒にボールで
遊ばない?」
ボス「ボクのボール~・・・・」
(↑質問に答えていない)
涼しい日陰はみんなの憩いの場所♪
トイプーCくん、だいぶワンワンしなくなったね!
えらいえらい(⌒∇⌒)
夕方の海岸さんぽ♪
夕方になってもっと涼しいかと思ったけれど・・・
台風の影響か、
湿度が高くてとっても蒸し暑かったよ
(-_-;)
熱中症にならないように
おさんぽは無理せず短めに・・・
後発隊のチャコと”としお”が
おさんぽする頃には
もうすっかり日も暮れていたよ
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