2019年11月19日火曜日

ガルガルKくんのお話④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。







今日は『ガルガルKくんのお話③』のつづきです。



【ガンコなのはどっちだ?!】


●抱っこに関する今後の課題


『ガルガルKくんのお話③』では、Kくんが狭い空間に籠っている時に抱き上げようとするとガルガルして咬みつこうとする問題の解決法として、


『一方的に抱き上げるのではなく、Kくんが自分から膝に乗ってくるよう仕向ける』


という方法を取りました。

この方法の狙いは、Kくんの「抱っこ」や「おいで」に対する恐怖心を払拭することです。

少しの間は、Kくんを「おいで」と呼んでいきなり抱き上げるのではなく、Kくんが自分で膝に乗ってくるのを待つことを繰り返してあげることによって、完全に恐怖心が払拭できたら、その次の段階としてKくんをヒョイと抱き上げることができるようになると思っています。


3泊のお泊りを終えてお迎えにみえた飼い主さんにお泊り中の経緯やKくんの今後の扱い方についてお話したところ、やはり飼い主さんとKくんの関係が悪循環にハマっていたことが判りました。

日常的にガルガルや咬みつきをするKくんの扱いに困り果て、どうしていいかわからなくなってしまった飼い主さんは、以下のことをやっていたとおっしゃっていました。


・『おいで!』とKくんを呼んで叱る。

・困った行動をしているKくんに対し、ペットボトルにビー玉を入れたもので突然大きな音をたてて驚かせる。(いわゆる天罰方式ですね)

・イライラと感情的になって大きな声で怒鳴ってしまうことも。


なるほど・・・ナットクという思いでしたが、同時にご自分のしつけを冷静に振り返ることができ、まずかった点を自覚されたという意味でとてもスバラシイと尊敬申し上げました。

それがなかなかできない飼い主さんも多いからです。

怒鳴っているのに「怒鳴ってない」と言い張るとかね・・・(;^ω^)



●オールマイティーのしつけ方なんてあるわけない


わたしはKくんの飼い主さんがやってこられたこうした行為を一概に「ダメ」と断ずるつもりは毛頭ありません。

一番目の


『おいで』と呼んで叱る行為


については、確かにワンちゃんの性質に関わらずやめてあげてほしいことです。

『おいで』というコマンドに少なくとも従っているワンちゃんを叱ることは、ワンちゃんを混乱させてしまう可能性が高いからですね。


けれども、二番目と三番目の方法はワンちゃんの性質によってはこうした叱り方やしつけ方が効果的なこともあるんです。

前にも少し触れましたが、ハートが強くて少々叱られても『テヘペロ♪』ってすぐに忘れちゃうようなノーテンキなワンちゃんにとっては、飼い主さんの怒鳴り声やお小言なんてBGMのようなモンです。

その場合、ちょっとお灸をすえるという意味で”ビックリさせる”ことがテキメンに効く場合もあるんですね(^-^;


だから、そういう成功体験があるトレーナーさんや飼い主さんの指南や体験談を参考に多くの飼い主さんたちが天罰方式を


「どんな犬にも効果的なしつけ方法なのだろう」


と勘違いしてしまうのではないかと思うんですが・・・

そんな魔法みたいなしつけ方法があれば、誰も犬のしつけになんか苦労しやしませんよねぇ~?(;^ω^)


人間の子供だって同じ先生に同じように叱られてもその反応はそれぞれです。


『コラ!○○くんッ!!』


とちょっと怖めの声と顔で一言先生に注意されただけでビビり上がってしまう子もいれば、


『はぁ~?何か用ですかセンセ~?!』


と鼻くそホジホジしていられる子もいます。


Kくんのような怖がりで肝の小さいワンちゃんには、突然の大きな声や音でドキーーーン!!とさせるやり方は、たった1発でトラウマとなって飼い主さんとの信頼関係を揺るがせてしまうこともあるってことは忘れないでいただきたいと思います。

自分の愛犬の性質に合ったしつけのやり方は、粘り強く毎日愛犬と向き合い続けていく中で発見していくものなんですね。



●Kくん、もうひとつのガルガルシチュエーション


さて、Kくんはどこかに籠っている時に「おいで」と呼ばれたり抱き上げられたりする時以外に、もうひとつガルガルしてしまうシチュエーションがありましたね。

それは、Kくんが咥えている物を取り上げようとした時や、Kくんが食べ終わった食器を下げようとした時です。

残念ながらKくんがPetHotel11!にお泊りしている3泊の間、Kくんが咥えている物を取り上げなくてはならないシーンは皆無でした。

朝夕のごはんの後、器を下げる時もKくんがわたしたちに攻撃的な態度を示したことは一度もありませんでした。

ただ、飼い主さんによると、器を下げる時には毎回ガルガルされてしまうそうで、普段はKくんがすっかり器に関心がなくなってどこかへ行ってしまってから器を下げているとのことでした。


この場合のガルガルや咬みつきは抱っこのシチュエーションとは違って「怯え」によるものではありません。

Kくんは単に自分の所有権を主張しているんですね。

おもちゃやごはんの器など、Kくんは「ボクのものだ」と思っていますから、それを取り上げようとする飼い主さんに「フザけんなよ!」と威嚇しているワケです。


じゃあどうして飼い主さんのことは威嚇するのにわたしたちのことは威嚇しなかったか?

それはおそらく、Kくんに対する態度の違いによるのものです。


「おいで」や「抱っこ」のシチュエーションで何度も咬みつかれている飼い主さんは、知らず知らずのうちにKくんを怖がるようになって、ビクビクした態度で接してしまわれていたのだと思います。

それに加えて、咬みつけば抱っこを諦めてくれる(捕まらずに済む)ということが何度かあると、Kくんは自分の咬みつきの効果を十分に知り、こう思うようになります。


「アイツら、ボクが咬みつくと怖がって何にもできないんだ!

ボクの方が強くてえらいんだぞ!!」


更に・・・Kくんの取り扱いをどうしていいかわからないイラ立ちからついつい感情的になってしまうのもKくんから舐められてしまう要因になってしまいます。


「弱い犬ほどよく吠える」


と言うように、動物の世界では弱い個体ほどガマンや感情のコントロールができないものです。

だって、何が起きても冷静に判断して行動することができなければすぐに命を落としてしまうことになるからですね。

わたしたちはガルガル言うKくんに怯えたそぶりを見せず、感情的になったりもしなかったために、ガルガルや咬みつきが通用しない相手だとすぐにKくんに伝わったのだと思います。


そこで、Kくんの飼い主さんには、次のようなことに気を付けてKくんに接することをお薦めしました。



●飼い主さんにお薦めしたやり方


・抱っこに関しては当分の間Kくんが自分から膝に乗ってくるのを待ってあげること。

・Kくんに対して感情的になって大きな声を上げたり、急なアクションで驚かせることは絶対にしないこと。

・困った行動に関しては静かに困った顔で一言「NO」というか無視する程度にとどめ、飼い主さんが望む行動をしたら思いっきり褒めまくってあげること。

・ただし、自分の方がエライと勘違いしているKくんには決してご機嫌を取るようなことをしないこと。
(Kくんにせがまれて=命令されて抱っこするなどの行為はやめ、決めたルールは曲げないこと)

・口に咥えた物を取り上げたい時は無理に取ろうとせずに、オヤツやフードなどトレードするものを示しながら「アウト」と言い、「アウト」で口に咥えているものを離すことを覚えてもらう。
(抱っこを無理やりしないのと同じように、咥えているものもKくんが自分で離すように仕向けるということです)



●嬉しいご報告


さて、おうちに戻ったKくんはどんな様子だったか・・・

飼い主さんから以下のような嬉しいご報告メールが届きました。


ーーーーーーーー
この度は大変お世話になりました。

早速、家に帰り褒め褒め作戦を実行したところ
Kは拍子抜けしたようにキョトン!

なんと!コマンドで咥えたオモチャをポトンと離して
トコトコと!!!

優しくおいで!にもトコトコと!!
びっくり!
びっくり!
感動!!!!!!!です。

この四日間で魔法をかけてもらったようです。
Kの表情も穏やかで、優しくなっています。
可愛さ倍増!

これからも、褒め褒め作戦でKと向き合っていきます。


本当にありがとございました。
ご主人様にも宜しくお伝えください。
今後とも宜しくお願い致します。
ーーーーーーーー


なんとあっけない・・・!!(;^ω^)

よかったねぇ~Kくん♪

Kくんは やっと飼い主さんに自分の気持ちが通じ、理解してもらえたという思いでいるかもしれませんね。



よく、困った行動をするワンちゃんの飼い主さんが


「ウチの子ったら・・・本当にガンコで何度教えてもしつけても、ぜんぜん言う事をきかないんです!」


と仰るのですが、もしかすると自分たちのやり方に固執してワンちゃんの性質に合ったやり方にたどり着けずにいる飼い主さんの方がうーんとガンコなのかもしれません(;^ω^)


もちろん、トレーナーや訓練士にもどうにもできないようなワンちゃんもいますから、全てのワンちゃんがそうだとは言えませんが・・・・



最後に・・・

くどいようですが、わたしたちは犬の訓練士ではなく、単なるしがないペットホテルのオジサンとオバサンでしかありません。

従いまして、


「ウチの問題犬をなんとかしてください!!」


というご依頼には基本的にお応えしておりません。

ケージレスペットホテルという性質上、他のワンちゃんやわたしたちに危害を加える恐れのあるワンちゃんは原則として安全管理上お預かりできませんので、悪しからずご了承くださいませ。





<今日のPetHotel11!>

朝の海岸さんぽ
ちょっと前まで雨が降っていたけど
みんながおりこうさんだから
止んでくれたよ♪


お庭で・・・

Yくん「チャコちゃん、何してるの?」
チャコ「・・・・・」


Yくん「ねえチャコちゃん?!」
チャコ「・・・・・・」

Yくん、無駄だよ。
チャコが草をムシャムシャしてる時に
話しかけたって(-_-;)


ナツはまた虫殺ししてたんじゃないの?

ナツ「え~?そんなことしてないも~ん
(ピ~プ~♪)」

↑完全に犯人の顔です( ̄▽ ̄;)


珍しくボールに興味を持ったYくん


ボスと一緒にボールを追いかけ
始めたけど・・・


ボスに毎回取られちゃう(^-^;


Yくん「今日はこのぐらいに
しておいてやるぜっ!!」

うんうん(;^ω^)


チャコ「ねぇ~ん、ダッコしてぇ~~♪」

↑渾身のカワイイ表情


チャコ「ちょっと、抱っこだったら~!」


チャコ「聞こえないの?抱っこ!!」


チャコ「おいコラ、抱っこしろ~~~~!!」

↑こーゆー時、わたしたちは
ぜーーったいに抱っこしません
('◇')ゞ


ボール遊びでは
ボスに負けちゃったYくんだけど・・・


お部屋への階段を上る時、
ボスがモタモタしている間に・・・


Yくんは4回も行ったり来たり(笑)


Yくん「勝ったっ♪」
ボス「へ?何のこと?」


いつもろくなおもちゃがないPetHotel11!
今日のおもちゃは
キッチンペーパーの芯(笑)


取れるもんなら取ってごら~~~ん♪


「取り合い」には強いチャコ
真剣な目つきで・・・


「あぐっ!!」

お見事!!!


執念の男Yくんも・・・


ガシッ!ビリビリ~~~!!

さすがっ!!


取られちゃいました(;^ω^)
しばし「引き裂く喜び」に浸るYくん♪


お料理番がイタズラでボスが遊んでいた
ボールを擁壁の穴に・・・

としお「ボスさん、ボクが取ってあげるですよ!」


ボス「どうだい?としお、取れそう?」
としお「もうちょっとですっ!!」


としお「あ・・・・マズい・・・(汗)」


ボス「え?!なになに?どーしたの?」
としお「ちょっと無理みたいです・・・」


ボス「あ!!なんだよぅ~!
遠くに行っちゃったじゃないか~!!」
としお「ごめんなさいです・・・」


ボス・・・ボスや・・・
顔が抜けなくなっちゃうから
およしなさい( ̄▽ ̄;)


夕方のおさんぽ♪
近所のお寺さんのキレ~なお庭


三浦海岸の季節の風物詩
浜辺のダイコン干し~~~!


これでおいしい”たくあん”を作るんだよ!!

もうすぐ冬が来るんだねぇ~~~


夜になって常連のハナちゃんが

「またお泊りに来てあげたの♪」


喜び勇んで出迎えたナツだけど・・・
よく知っているハナちゃんだと判ると

ナツ「なんだハナちゃんか・・・寝よ」
ハナちゃん「え・・・?!なにそれ~?!」


Yくんも自分がナデナデしてもらうこと
ばっかり考えてないで
ご挨拶しなさーい!

Yくん「え、だってハナちゃんでしょ?
もうよく知ってるよ~」

こうして常連さんたちは
まるで親戚同士みたいになっていくんだよね
(;^ω^)














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