2019年11月2日土曜日

ガルガルKくんのお話①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





【飼い主さんに咬みつくKくん】


●犬見知り


チワワのKくんが初めてPetHotel11!にお泊りに来てくれたのはKくんが6才の時でした。


Kくん近影


同居犬の妹分Nちゃんと一緒にトライアルにやって来た時は、他のワンちゃんたちと楽しそうに遊ぶNちゃんと対照的に不安そうに緊張して過ごしていました。

他のワンちゃんたちがそばに来ると身を固くしてわたしたちの後ろや足元に逃げてきて、


「お願いです。守ってください!」


と言うように人間にすがっているような子でした。

けれども、初めてお泊りする環境で緊張してそのような態度になるワンちゃんは結構多いので、わたしたちは問題なしと判断していました。


トライアルの1泊が終わってお迎えにみえた飼い主さんは、わたしがそのようにご報告すると心底ホっとされたようで、


「ああよかったよかった!じゃあ本番も預かっていただけるんですね?!」


と仰っていました。

その際、何度も


「大丈夫でしたか?Kはご迷惑をおかけしませんでしたか?」


と心配そうに仰っていた理由はを、わたしたちは後になって知ることになります。



●対照的な兄妹


Kくんと妹分のNちゃんは3才違いです。

ふつう、多頭飼いで同居犬がいる子はふだんから他の犬と関わりを持っているので社会性が高いことが多いのですが、Kくんは3年近くひとりっ子でいたので、社会性が育つチャンスが持てなかったのかもしれません。

本番のお泊りでも終始、他の犬たちが近づいてくると逃げ、お部屋やお庭の隅っこや入り込める狭い隙間を探して入り込んでいました。

一方、妹分のNちゃんは、臆病で社会性の低いK兄ちゃんとは正反対のキャラクターでした。

元々の天真爛漫な性格に加えてパピーの頃からKくんという同居犬がいたこともあり、社交性バツグン!

初対面のワンちゃんにもどんどん自分から挨拶に行き、遊びに誘い、しつこくしてくる犬には「やめて!」とキッチリ意思表示ができる子でした。


ふたりともまだPetHotel11!の環境に慣れていない最初のころは、ふたりで身を寄せ合うようにしているシーンを何度も見かけました。

Kくんは唯一の知り合い=妹のNちゃんを拠り所にしているようでしたし、NちゃんもそんなKくんを心配しているようでした。

けれども、飼い主さんによると おうちにいる時、Kくんはしきりに遊びに誘ってくる妹Nちゃんを疎ましく思っているようで、むしろまとわりついてくるNちゃんを迷惑そうに追い払っている関係だとのことでした。

これは、同居犬アルアルで、


「家では仲が悪くてケンカばっかりしてるんですよ!」


という子たちも、慣れない環境にやってくるとウソのように寄り添っていることが多いです(笑)


本番のお泊りは3泊でしたが、その間に妹分のNちゃんはどんどん自分の世界を広げ、他のワンちゃんと遊ぶ楽しみを見つけてイキイキしていきましたが、それによって臆病なK兄ちゃんはポツンとひとりぼっちになることが多くなりました。

でも、Kくんだってずっと緊張していたワケではありません。

少しずつではありますが、他の犬たちの様子を隅っこからジィ~~っと見ているうちに、


「ここは危険な場所じゃないようだな」


ってことが判り、他の犬たちがウロウロしている環境にもイヤでも慣れて・・・徐々にリラックスして他のワンちゃんたちがいる中でお昼寝もできるようになっていきました。

初めてのお泊りの時は口をつけなかったゴハンも完食するようになり、ウンチもオシッコもでき、他のワンちゃんたちと一緒におさんぽもでき、夜はグッスリよく眠っていました。


「Kくん、エライね!よく頑張ってるね~!」


わたしたちはそう言っていました。




●無理せず少しずつ・・・


さて、そんなKくんでしたから、わたしたちは無理に他のワンちゃんと近づけようとしたり、仲良くさせようとはしていませんでした。

臆病なワンちゃんは、時間をかけてその子のペースで学習したり慣れたりするのを見守ってあげるのが一番だと思っているからです。

人間がつい焦ってその子のペースを無視した接し方をすると、臆病な子はますます殻に閉じこもってしまうことが多いんです。

ペットホテルで過ごす時間はほんの数日です。

ですから、わたしたちが一番重点を置いているのは、滞在中ワンちゃんがなるべくストレスを感じることなく快適に過ごせることです。

もちろん、その間にもし問題行動や苦手を克服できそうな子がいた場合は、できる限りサポートしてあげるようにはしていますが、決して無理強いをすることはありません。


妹のNちゃんが楽しそうに他のワンちゃんと遊ぶようになってからというもの、Kくんは隠れ場所を探すそぶりが多くなっていました。

それまでは妹の背中の後ろに隠れていればよかったんですね(;^ω^)

いくらKくんが他の犬たちがウロウロしている環境に慣れてきたとはいえ、あまり長い時間緊張状態が続くと体が参ってしまうかもしれない・・・

そう判断したわたしたちは、時々ケージの扉を開けっぱなしにして、あえてKくんが逃げ込む空間を作ってあげていました。

なぜ”時々”にしていたかというと、そういう空間があるとKくんとしてはずーーっとそこに籠っていたがるので、他の犬に慣れるチャンスがなくなってしまうからです。


そんな風にして、お泊りしている間Kくんは休み休みちょっとだけ頑張る・・・という時間を重ねていっていました。




●ガルガル・・・


Kくんには、ひとつだけ困ったクセがありました。

それは、Kくんがどこかに籠っている状態の時に、そこから出そうとすると豹変して歯を剥き、ガルガルと恐ろしい唸り声を上げることでした。

わたしたちが用意してあげた避難場所のケージに籠っている時も、


「さあ、お散歩に行くよ!Kくん出ておいで~♪」


とそこから出そうとするとガルルルル~~・・・

お部屋やお庭の隅っこにKくんがお尻をピタリとつけているような時も、そばに行って


「おいで~♪」


と誘うとガルルルル~~~・・・


そんな時、わたしたちは無理にKくんを引っ張り出そうとしたりせずに、優しく眉間をナデナデして落ち着かせながらササーッ!と抱き上げていました。

抱き上げる瞬間も、Kくんはガルルルル~~~!!と一層大きな唸り声を上げて威嚇してくるのですが、抱き上げられてしまうと観念したようにいつもの優しいお顔になり、Kくんの身体の力はフっ・・・と抜けていくんです。


Kくんがどこかに籠っていたとしても、そのようなやり方で抱き上げることができたため、わたしたちは特段困ってはいませんでした。


ある時・・・

中型~大型犬用のケージをお日様に当てようとお外に出していた時のことです。

扉を開けっぱなしにしていたそのケージにKくんが潜り込んでいました。

お料理番がいつもの調子でガルガル言っているKくんをケージから出そうとした時・・・Kくんがお料理番の手に咬みつこうとしたのです。

間一髪、咬みつかれることはありませんでしたが、今まではガルガル言っても咬みつくそぶりは見せなかったKくんが初めて咬みつこうとしたのがその時でした。

今までKくんが籠っていた空間と違い、中型~大型犬用のケージは奥行が90センチくらいあり、その一番奥に籠っていたKくんを抱き上げるには体の大きなお料理番が四つん這いになって手を伸ばさなくてはならなかったため、それまでのようにKくんの眉間をナデナデして注意を逸らしておくことが十分にできなかったのですね・・・


そこで咬みつかれそうになったからといって諦めてしまうとKくんに


「やった!咬みつこうとしたらアイツあきらめたぞ!この空間はボクの物だ!誰もボクのテリトリーに近づかせないぞ!」


なぞと勘違いさせてしまうことになりますから、間髪入れずにケージを持ち上げ傾け、
Kくんを出し、すぐにそのケージは二度とKくんが入れないように片付けてしまいました。


ここでKくんにどうしても伝えておかなくてはならないことは次のふたつでした。


①咬みついたって無駄だよ!だから咬みついたりしちゃダメだよ。

②この空間はキミの物じゃないよ。わたしたちの物だよ。



Kくんがガルガル言うばかりでなく、人に咬みつく可能性があると判ってからは、わたしたちも一層気を付けていたので、3泊のお泊りを終えるまでに二度とKくんがわたしたちに咬みつこうとすることはありませんでした。



お泊りを無事終え、お迎えにいらした飼い主さんにお泊り中にあった出来事をお話していると、そこで初めて飼い主さんがこう打ち明けてくださいました。


「そうなんです・・・実はこの子咬みつくんです。

わたしたちも何度も・・・それでもうどうしていいか途方に暮れていて・・・」


面談に見えた時も、トライアルの時も含めてそんなお話を伺うのはそれが初めてでした。

正直、できればお預かりする前に教えておいていただきたかったことです。

おうちでそんなにお困りの状態であれば、わたしたちももう少しKくんにしてあげられることがあったかもしれません。

けれども、もうその時点でそんなことを言ってもどうしようもありませんから、飼い主さんにはKくんに咬みつかれないようにいくつか注意点をアドバイスさせていただき、KくんとNちゃんを見送りました。



そんなKくんが劇的に変化を見せてくれたのは、その次お泊りに来てくれた時のことでした。


長くなるので、このお話のつづきはまた次回に・・・・





<今日のPetHotel11!>

朝の海岸さんぽ♪


とっても綺麗な朝焼け♥
今日も秋晴れだね!


はーい、みんないいお顔して~!


としお「モカさん・・・もう
おうちに帰っちゃうですか~?」
モカちゃん「うん、そうよ」(←クール~~)


犬にはクールだけど人間には
超甘えん坊のモカちゃん
またお泊りにおいでね~(^▽^)/


お別れを惜しむふたり・・・
また会えるからね!!


ナツがこんな風にお見送りをするのは
本当に珍しいことなの。


Rちゃん「ボス、アゴが外れるわよ!」
ボス「アガアガ・・・・」

↑はずれかけとるやないか~~い!!


チャコ「この前ねぇ・・・
ここでサンマとヤキイモ食べたんだよ~♪」
Sくん&Rちゃん「え?!どこどこ?!(クンクン)」


チャコ「今日はお料理番、
お外でお料理しないのかなぁ・・・」

またそのうちね~(;^ω^)


夕方の海岸さんぽ♪
Sくん&Rちゃん、とっても上手に
おさんぽできたよ(⌒∇⌒)


としおもすれ違うお友達に
「遊ぼ~~~♪」って飛び掛からなく
なれるように頑張れ~~~(;^ω^)












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