PetHotel11!お庭番のブログ②: 【新型コロナウィルス】犬⇔人感染について

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

ものすごーく久しぶりにブログ記事を書いています(;^_^A

【新型コロナウィルスについてワンちゃんの飼い主さんへ】

●犬に噛まれて感染？

一部報道で、犬に噛まれた人が新型コロナウィルスに感染したというニュースが流れました。

報道は、香港メディア「香河01新聞」が先月26日に報じたものを日本のスポーツ紙などが報じたもので、内容は以下のとおりです。

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湖北省武漢市で犬に噛まれた男性2人が肺炎を発症した。

中国ではこれまで、感染源として食用のタケネズミのほか、アマガサヘビやタイワンコブラの可能性が報じられているが、犬にかまれた感染者が現れたことを受けて、香港01新聞は新たな症例と報じている。

保健省の健康保護センターは会見を開き、武漢市内の白沙洲市場の店員として働いていた47歳の男性が肺炎を発症したと明らかにした。

男性は21日に発熱して現地の病院に行った後、23日に高速鉄道に乗り、深圳を経由して西九龍駅に到着し、バスで帰宅。

翌24日に再び発熱し病院の救急センターに駆け込むと、昨年末に犬にかまれて武漢市内の病院で注射を4回受けたと説明し「別の注射は出来ますか？」と尋ねたという。

肺炎の検査結果は陽性だったため、健康保護センターは男性の家族の検査もしているという。

また食品を買うために武漢市に行き、20日に高速鉄道で香港に戻った後発熱した別の男性も、武漢市内で犬にかまれていたことが報告された。

男性は中国で犬にかまれたため、香港に戻ってから病院を訪れた。

その際、医師に中国の病院で注射を受けたことは説明していたが、武漢市に行っていたことは伏せていたという。

男性は25日に発熱したため入院後、隔離されて検疫を受けたという。
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よーするに・・・

どっちの男性にも共通しているのは

・武漢市に行ったこと
・犬に噛まれたこと
・肺炎になったこと

です。

武漢には近づいていないのに犬に噛まれて感染したわけじゃーないし・・・
そもそも肺炎になっただけで新型コロナウィルスかどうかも不明だし・・・

おわかりかと思いますが、犬に噛まれたことは事実かもしれませんが肺炎になったこととはほとんど関連性がないと考えるのがフツーでしょう。

なんだったらふたりには犬に噛まれたって事実以外にも「ヒゲが濃い」とか「辛い料理を食べた」といった共通点がいくらでも出てくるかもしれません。

もしも今回の新型コロナウィルス感染者のほとんどが

「私も犬に噛まれましたー！」
「ワタシもーー！」
「オレもだ～～！！」

ってなことになれば、犬に噛まれたことと感染の相関関係が深いってことになりますね。

いずれにしても、こういった報道は要らぬパニックを招くあまり褒められた内容とはいえない記事だって思っちゃいます（プンスカ！！）

●とはいっても心配・・・

さて、そうはいってもワンちゃんの飼い主さんとしては心配なことがありますね。

たとえば・・・

「潜伏期間にも感染する」
「無症状でも陽性な人が複数人いる」
「不顕性感染のままの人もいる」
「ちょっとした風邪のような症状で治ってしまう人もいる」
「潜伏期間は最大14日間もある」

なんてニュースを見れば、知らないうちに自分が電車やバスで既に感染していないなんて言いきれない状況ですね。

そーすると・・・

「もし、ワタシが新型コロナに感染していて、それを愛犬にうつしてしまうことはないんだろーか？」

って心配になるかもしれません。

また、

「新型コロナウィルスはコウモリなどの動物から人へ感染した」

なんて報道を聞けば、

「知らないうちに愛犬が感染していてそれが家族にうつってしまう心配はないんだろーか？小さな子供が心配よ～～～！」

って不安に感じられるかもしれません。

そのため、海外では愛犬にマスクをつけている飼い主さんもいらっしゃるようですね(;^ω^)

●心配ご無用～♪

結論から申し上げると、今回感染の広がりが懸念されている新型コロナウィルスに関して言えば、

イヌ　→　ヒト　感染
ヒト　→　犬　　感染

いずれも心配はありません！！（キッパリ）

その根拠をお話する前に、まずコロナウィルスについて少しだけ・・・

◇コロナウィルスってヤツを知ろう

現在、人間に感染するコロナウィルスは、今回の新型コロナウィルスを含めて以下の7種類あります。

①（話題の）新型コロナウィルス
②SARS（重症急性呼吸器症候群）
③MERS（中東呼吸器症候群）
④～⑦一般的な風邪の原因の10～15％と言われているコロナウィルスたち

コロナウィルスってゆーヤツはたーーくさんの種類があって、人間に感染する上記の7種類以外にも、犬コロナウィルスだったり猫コロナウィルスだったり、自然宿主になる動物がそれぞれ決まっているんですね。

コロナたちにもお好みがあるってワケです。

基本的には人に感染するコロナは人だけに。
犬に感染するコロナは犬だけに・・・

という風に感染していくんですが、報道でも耳にしたことがあるでしょう？

「ウィルスが変異する」

って言葉を・・・

◇変異するパターン

稀に何かの拍子にある動物を自然宿主としていたコロナが、その他の動物にも感染するように変異することがあるんですね。

少し前に流行したSARSやMERS、そして現在流行中の新型コロナウィルスがそうした事例と言われています。

むずかしいお話はあえて省きますが、

SARSもMERSも新型コロナも、元はそれぞれある種のコウモリを自然宿主としていたコロナウィルスではないかと言われています。

上記3種コロナウィルスの遺伝子配列がコウモリを自然宿主とするコロナウィルスの配列にヒジョーに近いことがわかったからです。

じゃあ、これらのコロナウィルスはコウモリから直接人間に感染したかってゆーとそうではありません。

いずれもコウモリが保有していたコロナウィルスを他の動物が媒介して人間に感染するに至ったと考えられています。

具体的に言うと

SARSは　コウモリ　→　ハクビシン　→　ヒト
MERSは　コウモリ　→　ラクダ　　　→　ヒト

という感染経路です。

この、コウモリとヒトの間にいるハクビシンやラクダのことを”中間宿主”って呼びます。

※新型コロナの中間宿主はまだハッキリと特定されていません。

さっきもお話したように、コロナたちにも宿主として選ぶ動物には好みがあるので、コウモリを自然宿主とするコロナがいきなり人間を宿主とするようなドラスティックな変異は考えにくいってことなんです。

●犬と人とのコロナウィルスは・・・

さて・・・上記のコロナウィルスの変異の仕方を踏まえて 犬⇔人の間のコロナ感染について考えてみましょう。

犬が中間宿主になって人間にコロナウィルスを感染させる・・・
または人間が中間宿主となって犬にコロナウィルスを感染させる・・・

こうした可能性について言えば、可能性はゼロとまでは言えないけれどまずありえないと考えて大丈夫ってゆーのが結論です。

なぜならば、コロナウィルスが変異して今まで自然宿主としていた動物とは違う動物に感染する場合、元々のコロナウィルスの配列と近縁する（似ている）型の配列を持つコロナウィルスの宿主に感染するからです。

そして、犬を自然宿主とする犬コロナと人を宿主とするコロナの配列はものすごーく遠縁（ぜんぜん似てない）なので、もし感染するとしたら何度も何度も変異をして、何種類もの中間宿主を媒介した結果でなければ感染しないってことなんです。

ちょっとややこしいお話になっちゃいましたが・・・

今回の新型コロナウィルスがワンちゃんに感染する可能性がとっても低いこと、そして
犬⇔人　の間で感染する可能性がほとんどないというお話でした。

ですからワンちゃんにマスクをつけたり、ワンちゃんを隔離したりする必要はありませんし、もしそういった誤解をしている人がいたら、ぜひ安心させてあげてくださいな(⌒∇⌒)

※新型コロナウィルスとは別な感染症（人食いバクテリアなど）にはワンちゃんから人に感染するものがありますから、ワンちゃんに直接顔や傷口を舐めさせたり口うつしで食べ物をあげる行為などは、今まで同様に引き続き避けていただくようお願いいたします。

＜今日のPetHotel11!＞