PetHotel11!お庭番のブログ②: 犬にまつわる”安全神話”？②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

だいぶ間が空いてしまいましたが、22日ブログのつづきです。

【終わらない安全対策】

●PetHotel11!の安全対策

わたしたちのペットホテルは日中はワンちゃんたちをケージに閉じ込めずフリーにしているため、ケージに入れっぱなしのペットホテルに比べて安全対策にはかなり気を配っていると前回お話しました。

具体的に挙げればキリがないのですが、ケージレスならではの最も重要な安全対策は『逃がさないこと』です。

お天気のよい日に、お庭で他のワンちゃんと追いかけっこをして楽しそうに走り回る子や、お部屋でスヤスヤお昼寝をする子たち・・・

そんな幸せな情景は、たった1頭でも敷地外に逃げ出してしまうワンちゃんがいれば一変することでしょう！！（ゾゾ～～～）

だからわたしたちはワンちゃんが敷地外に逸走してしまわないよう、十分な高さ（180センチ）のフェンスを隙間なく敷地の周囲に張り巡らせています。

朝夕1日2回のおさんぽはワンちゃんたちが楽しみにしているウキウキタイムですが、1頭でも首輪がすっぽ抜けて車道に跳び出したりってことがあれば一気に天国から地獄でしょう（ゾゾゾ～～～）

だからわたしたちは、お預かりしているワンちゃんたちには必ず首輪（またはハーネス）を2つずつつけ、もちろんリードも2本つけることで、万が一どちらか一方が破損したりスッポ抜けたりしても大丈夫なように対策しています。

ダブルリードでおさんぽ中に、グルグル高速回転するワンちゃんがいると、ねじれたリードに手首をたちまち締め上げられて拷問のよーになるので、しょっちゅうネジネジを直さなくっちゃならず、これが意外とタイヘンなんですよ～(;^ω^)

そして・・・

逸走防止対策の次に大切なのが、ワンちゃん同士のケンカを防止することです。

年齢も性格も生育環境もまったく異なるワンちゃんたちが慣れない場所で一緒に過ごすのですから、中には社会性の低い犬づきあいが苦手な子もいますし、相性の悪いワンちゃん同士もいます。

攻撃的なワンちゃんは事前面談でお断りしているので、基本的には温厚なワンちゃんばかりですが、それでも相性によってケンカに発展してしまう子もいますし、怯えから歯を剥くワンちゃんだっています。

そのため、わたしたちは相性の悪いワンちゃん同士が接触することを避けるために、様々な工夫をしています。

お天気がいい過ごしやすい気温の日は、お部屋組とお庭組に分けるという”時間による分離作戦”を取ることが可能です。

けれども、雨だったり暑かったり寒かったりする日は、どうしても屋内で全頭が一緒に過ごす時間が長くなります。

そこで犬舎は、もしも相性の悪いワンちゃん同士がいる時には柵でエリアを分けられるようにしています。

特に相性が悪いワンちゃんがいなくても、身体の大きなワンプロ好きなワンちゃんと、静かに過ごしたいワンちゃんや小さなワンちゃんは、怪我防止の観点から分けておくことができます。

これだけ気をつけていても、ワンちゃん同士の突発的なトラブルの可能性をゼロにすることは難しく、わたしたちのペットホテルでも過去に1度お客さまワンちゃんが他のワンちゃんに咬みついてしまったことがありました。

その反省を踏まえて、柵以外にも面談での判断方法やオペレーションの変更など、さまざまな工夫をして事故防止に努めています。

●柵越え続出

さて、そのお部屋を仕切る柵のおはなしです。

当初、柵は高さ71センチのものでした。

圧迫感がなく、お部屋が広く見えるので気に入っていたのですが・・・

わたしたちが思っていた以上に柵越えをするワンちゃんが続出しました～(￣▽￣;)

みなさんにお伝えしたいのは、71センチという柵の高さは国内で購入できる屋内用の柵としてはもっとも高い方だってことです！

にも拘わらず、柵越えをしたワンちゃんは決して中型犬以上の子ばかりというわけではありませんでした。

だいたい、中型犬と小型犬、同数ぐらいでしたね・・・（遠い目）

小型犬の飼い主さんたちは、

『実はウチの子もホンキを出したら71センチくらいの柵は超えられるポテンシャルがある』

ってことをぜひ覚えておいてくださ～～～い(;^ω^)

●新設した高い柵♪

そこで、以前このブログでもお話したと思いますが、今年の6月（わずか3か月前ですね）に思い切って柵をもっと高いものに買い替えました。

残念ながらお部屋（犬舎は11帖ほどの広さです）を横断させるほど幅がある柵は見つけられなかったので、お部屋の途中に柱を1本新設しての設置です。

前述の通り、国内で入手可能な柵で、横幅がそれなりにあって従来の物より高さがあるものを見つけるのは至難の業でしたが、ついにやっととうとう見つけた現在使用している柵は、高さが95.6センチ！！

今までのものより15センチ近く高さがあるんですもの～～～！

そう簡単に超えられないでしょっ（ヌハハハ♪）

・・・って思っていたんです。

ところが・・・

●早くも柵越え発生

悲しいお知らせです・・・

新しい柵を新設してわずか3か月後の今月初旬、早くも95.6センチの柵を軽々超えるワンちゃんが現れました～～～(;^_^A

記念すべき柵越え第一号をやってのけてくれたのは、ポインターのCちゃん。

実は以前、おうちでも脱走した前科のある要注意ワンちゃんです(;^ω^)

その日は特に相性の悪いワンちゃんはいませんでしたから、お部屋を柵で仕切る必要はありませんでした。

ところが、オシッコをトイレットシートからちょっぴりはみ出させてしまった子がいたので、お掃除とシート交換をする際にワラワラと作業のジャマをしに寄ってくるワンちゃんたちがいたので、その子たちに一時的に反対側のエリアにいてもらったというシチュエーションです。

甘えん坊のCちゃんは、常に人間のそばに来たがる子なのですが、その時も柵の向こう側にいるわたしの方に来たくて来たくてしかたがなかったようです。

柵に前脚をかけてシッポをブンブン振ったと思うと、あっという間にいとも簡単に柵を超えてわたしのいるエリアにやってきました～～～(￣▽￣;)

その時の衝撃映像がコチラ↓

。

●冷静な態度も大切な安全管理のひとつ

映像では、Cちゃんが柵を超えてきた瞬間、わたしは特に驚く様子もなく淡々とオシッコシート交換を続行しているように見えるかと思いますが・・・

いーえっ！！

めちゃくちゃビックリした＆超ショックでした～～！

だってだって・・・つい3か月前に柵を新設した時には、もちろんいつかは柵越えをする子も出現するだろうとは思っていましたが、けっこうな高さの柵を前に、正直いくらなんでもこんなにすぐにアッサリ超えられてしまうとは想像していなかったんですものーーーー( ﾉД`)

でもね、犬たちの前で動揺した様子や感情的に不安定な様子を見せることは、大抵ロクな結果を生みません。

この時、Cちゃんが柵を超えた時の

ガシャーーン！！

という大きな音で他の犬たちは十分驚いてドキドキしていたので、わたしが驚いて声を上げたり、取り乱したりすれば

①犬たちの間に動揺が広がって不安にさせてしまう。

②『ちょっとしたことで動じるヤツ＝リーダーの資質なし』と犬たちに思われ、指示をきいてくれなくなる。

ということが起きてしまいます。

コレって・・・実はワンちゃんたちを安全にお預かりする上で絶対に避けなくてはならないことなんです。

ワンちゃん同士のちょっとしたイザコザを止めに入る時も・・・

ワケのわからないものを拾い食いしようとした時も・・・

危ないことをしそうになった時も・・・

小さな子にしつこく乗っかろうとするような子がいる時も・・・

ワンちゃんたちがわたしたちの指示や制止に従ってくれる状態、つまりわたしたちがワンちゃんたちの群をコントロールできるリーダーでいられなければ、PetHotel11!はたちまち秩序のない無法地帯のようになってしまいますからねぇ～～！

さて、新しい柵は早くも超えられてしまったワケですが、これ以上高い柵となるともう、
完全にお部屋を壁で仕切るしかありません。

柵が不要の時にはできるだけお部屋を広く使ってワンちゃんたちを遊ばせてあげたいので、当面はCちゃん以外にどれくらいの子が柵越えをするかを注意深く見ていきたいと思います。

柵を超える子がそう多くなければ、

『○○ちゃんと○○くんは柵越え常習犯だから要注意ね～！』

と、わたしたちが気を付けることで危険は回避できるのではないかと思っています。

安全管理って・・・本当に終わりなんかなくて、常に点検や見直しをしながら、状況に応じて変化させていかなくてはならないものだっていうお話でした。

福島第一原発の事故を見ても・・・今回の千葉の停電対応にしても・・・
東京電力には人々の命に関わる重大な責任を負っているという自覚を持ってもらいたいと強く感じているのはわたしだけでしょうか・・・(-_-;)

＜今日のPetHotel11!＞